直線的でマッシブな外観が、静かな住宅街で存在感を放つ。美術館のような佇まいは、住み手の「城」として誇らしい美しさだ。住まいの中央には、プライベート性の高い中庭をレイアウト。四方にガラス窓を設けているため、住まい全体に柔らかな自然光を届けてくれる。キッチンや家具、照明などナチュラルモダンテイストで統一したインテリアと、中庭からの光が紡ぐ穏やかな時間。中庭を介してほかの空間を眺めることで、何気ない日常のシーンが美しく切り取られる。

２方向を道路に面した住まい。外に向けて大きな窓を作っても、視線を気にして一日中カーテンを閉め切って過ごすのは味気ない。解決策として導いたのが、中心に中庭をレイアウトする「ロの字型」のプランだ。視線を気にすることなく家中に光を取り込み、どこにいても自然の気配を感じられる。 中庭の周囲を、LDKや水まわり、ホールがぐるりと取り囲む。LDKから中庭にダイレクトに出られるため、BBQや外遊び、夏のプールなど、アウトドアリビングとして日常を豊かに彩るだろう。中庭を介して、ほかの空間で過ごす家族の気配が伝わるのも魅力だ。

中庭を設けることで、「内に開き、外に閉じる」住まいを潔く体現した住まい。外側に現れる窓を最小限に抑えることで、FORT=要塞を体現する直線的でストイックな外観を叶えた。フラットな壁で構成された佇まいは、美術館を思わせる凜とした美しさ。外から室内の雰囲気をうかがい知れないからこそ、ドアの先に広がる光あふれる室内に魅了される。

インテリアは、グレーやチャコールなどのニュアンスカラーと木の色を基調にコーディネート。キッチンとダイニングは、木目調で家具のようにしつらえた。落ち着いたトーンで統一したソファやチェアは、飽きのこないシンプルなデザインをセレクト。リビングの壁は、一面のみタイル貼り（※要確認）のアクセントウォールに仕上げている。落ち着きと温もりあるインテリアにアクセントを添えるのが、モダンなデザインのスチール階段やペンダントライト。中庭越しに眺めたときも、美しいシーンを演出してくれる。

オープンなLDKを美しく保つカギは、「隠す収納」を十分に計画すること。キッチン脇には壁一面に収納棚を設け、全面引き戸で隠せるデザインとした。家族の衣類は、２階に用意したファミリークローゼットにまとめて収納。個室のクローゼットが必要ないため、コンパクトでも広く活用できる。玄関には、引き戸で目隠しできるシューズクロークをデザイン。靴や上着、アウトドアアイテムをたっぷり収納できる。