窓のデザインと素材が織りなす陰影のグラデーション
光を楽しみ、慈しむ暮らし
CONCEPT
シンプルな空間だからこそ 豊かな陰影が映える “自然光で遊ぶ”住まい
光を楽しむこと。それが、この住まいの大切なコンセプトだ。設計を手がけた建築家が窓のデザインでこだわったのは、大きさよりも「どこに配置すれば、美しい光と陰影を楽しめるか」。方角や外的環境を踏まえて考え抜いた「適材適所」の窓がドラマチックな光と陰影を室内に描き、日常のシーンを豊かに彩る。木やモルタル、タイルなど、室内の豊かな素材の質感が光に浮かび上がり、朝から夕方まで変化する表情を楽しませてくれる。
POINT 01
大開口をつくらずとも 光を贅沢に楽しむ
窓の位置は、間取りと眺めるビュー、隣家からの視線、外観デザインなどさまざまな要素のバランスを考えて決定する。この住まいは道路に面した西側に大開口を設け、吹き抜けを通じて住まい全体に光を回り込ませつつ、木製ルーバーで視線を遮る設計だ。縦方向のルーバーがファサードの一部となり、住まいのキャラクターを作っている。スリット越しの光が壁や階段に美しい陰影を描き、階段上部のトップライトとともに住まい全体に柔らかな光を届ける。
LDKには、視線が気にならない縦長のスリット窓やテラスにつながる掃き出し窓を。エントランスから続く土間には、光を取り込みつつ視線が気にならない地窓を設けた。過ごす場所ごとに光を感じられる設計が、暮らしを豊かなものにしている。
POINT 02
豊かな素材と光が織りなす 美しいインテリア空間
モルタル、タイル、壁紙、フローリング……。室内に散りばめた豊かな素材が、光や陰影の美しいキャンバスとなる。土間を照らす清々しい朝日が一日の始まりを告げ、日中はトップライトからの光が室内の壁を明るく包み込む。夕暮れになれば西日がヘリンボーン貼りの床に長い影を描き、家族の団らんを穏やかに彩るだろう。素材を楽しむシンプルな空間が、光の魅力をいっそう引き出している。
POINT 03
温もりあるルーバーがアクセント モダンなファサード
スクエアを基本に、ブラウンと木の色で構成したモダンな外観。2階の大きな窓の前面に設けた木製ルーバーは、室内に適度な光が入るようコントロールするとともに、直線的なファサードを柔らかに彩るアクセントとなった。視線を遮るため南側に設けたフェンスも質感を調和させ、デザインの一部に。シンプルでありながら色と素材に遊び心を持たせた住まいは、田園と住宅が混在する地域に溶け込み、家族の暮らしを包み込んでいる。
POINT 04
シンプルな空間だからこそ 家具やキッチンが存在感を放つ
素材感と光を生かしたシンプルな空間。そこには、住み手が選んだ家具の美しさを際立たせる力がある。ダイニングは、落ち着いた色の木製テーブルとブラック塗装を施したワイチェアに、シャープなメタルのペンダントライトを合わせた。白を基調とした空間で、家具と照明の美しいフォルムが存在感を放つ。キッチンは、落ち着いたマットブラックのカウンターを主役にモノトーンでコーディネート。硬質な素材とモダンなデザインで、空間を引き締めている。