家は、ただ生活するための場所ではなく、家族が集い、思い出を紡いでいく大切な場です。この住まいでは、シンプルながらもこだわりを散りばめ、使いやすさと心が落ち着くデザインを実現しました。木の温もりや柔らかな光、そして細やかな配慮が、毎日の暮らしを少しだけ豊かにしてくれる、そんな家づくりを目指しました。

キッチンは、「料理する人が主役になれる空間」をテーマにデザインされています。アイランドキッチンを採用し、壁に向かう時間を減らして、自然と家族やゲストと顔を合わせながら作業ができる設計にしました。木目の天井パネルと優しい明かりのペンダントライトが、空間全体に温かみを与え、日々の料理時間が「作業」ではなく「楽しみ」に変わるような雰囲気を生み出しています。 また、キッチンとダイニングテーブルを一体化させることで、料理をそのまますぐに食卓へ運べる便利さもプラス。忙しい日々の中で、少しでも時間を有効活用できる工夫を込めました。

洗面台は、朝の身支度から夜のリラックスタイムまで、一日の始まりと終わりを気持ちよく過ごしてほしいという思いから設計しました。白いタイルの壁面は、どんなインテリアにもなじむ普遍的なデザインでありながら、清潔感と明るさを際立たせます。棚にはお気に入りの小物を飾ったり、実用的な収納として使うこともでき、機能とデザインのバランスを大切にしました。 木目調のキャビネットは、触れるたびに温かさを感じられる素材感で、手に馴染む安心感を生み出します。そして、窓から注ぐ自然光がこの空間に命を吹き込み、慌ただしい朝でもどこか穏やかな気持ちになれる工夫をしています。

和室コーナーは、現代の暮らしの中に少しだけ「和の心」を取り入れるためのスペースです。この小上がりの和室は、家族が気軽に腰を下ろして話したり、小さなお子様が安心して遊んだり、時には一人で読書や昼寝をする場所として、多彩な使い方ができる場所です。 畳の下に収納スペースを設けたことで、限られた空間でもスッキリと整った印象を保てます。また、シンプルな照明と控えめな装飾が、ただそこにいるだけで心が落ち着く空間を作り出しました。この和室が、家族みんなにとっての「ほっと一息つける場所」となることを願っています。